陶芸家・熊本栄司の陶芸春秋

陶芸家・熊本栄司の日々の活動や思い、陶芸家としての喜怒哀楽を綴ります

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公募展

 
昨日、某陶芸雑誌を読んでいたら最近公募展への出展者数が
どこの公募展も減少していると書いてあった。

実際に調べてみたら・・・たとえば朝日陶芸展の場合・・・

2003年に応募点数が754点だったのに対し、今年の2008年度は
なんと469点。

確かに減っている。

日本陶芸展の場合も21年前、応募点数が1200点台から毎年減少
し続けているらしい。

その某陶芸雑誌によると・・・

「審査が公正ではないのでは?」
「審査員の弟子だと入選に有利だ」
「入選に地域的な偏りがある」
「事前に応募作品を見てもらうには謝礼が必要と聞いた」

・・・などという話が流布し公募展にとっては非常にマイナスだと
書いてあった。

まあ、確かにどこまでが本当でどこまでが噂話なのか私が
知る由もないが、私はもっと他に原因があるのではないかと
思っている。

ひとつは陶芸界をとりまく経済的理由。

そこそこの経費と時間を使い大きな作品を作って入選はしたものの、
特にオブジェ作品などはほとんど最後まで売れない。
(入選すればまだ浮かばれるが落選だと悲惨である)

おまけに家に作品が帰ってきたら置き場所に困ると言った
環境事情もひとつ。

そして出品料だって朝日の場合は1点10000円。
日本陶芸展にいたっては1点、15000円であります。

陶芸作家としてだけでなく、家業としてきちんと製陶業、窯業としての
会社組織がバックにある家ならさほど問題ないと思うけどそれ以外だと
出品料だけで10000円を超えるとなると・・ちょっと・・って思ってしまうのではないかな?

それともっともっと本質的な理由。

それは公募展に価値を見出さなくなった。

今、陶芸界の中堅人気作家、もしくは若手人気作家でいわゆる
「陶歴」をあまり持ってない人が多い。

公募展というプロセスを吹っ飛ばして(別にたどらなければならない事もないが)
いきなりメディア参戦。

○○陶芸展に入選、入賞したからなんぼのものなの???って感じです。

昔のレコード大賞と今のレコード大賞との比較によく似ている。

昔のレコード大賞の曲目なんて今でもいくつか私は言えるが
最近、十年間は特に誰がレコ大なのか記憶にもないし、そして興味も
なくなった。

それと同様、ちょっと前まではやはり公募展に入選する事は大事な
事であったし、(私の場合は)そこそこみんな挑戦もしていたんだけどな~。

価値を見出さなくなり、いらぬ噂が流れ、実際に金もかかる・・・となると
出品者が減少するのも必然的な事のように思えてしまう。


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Comment

No title

よっし~

地方の展覧会。特に県とか市とか町単位の
展覧会の場合やはり先生とのつながりという事も
100%否定できないかもしれません。

でも、そういう事があると出品する側からみると
かなりモチベーションが下がりますよね。

美術の場合、きっちりとした基準が無い。
審査員の好みによって審査結果が分かれます。

ですから展覧会の後にどうしてこの作品が
1等賞でどのような作品が何故に落選したのか?
というような事を説明してくれると少しは疑惑に
満ちた環境を打破できるかも知れませんね。

2008.10.14 | 熊本[URL] | Edit

No title

さかさん

展覧会の運営資金というのはかなりかかるみたいです。

そうい意味で、途中でいくつもの展覧会がなくなって
います。
私がグランプリをとった「陶芸ビエンナーレ」も
終わってしまいまいたしね。
そういう意味では主催者側も出品者もずっと
モチベーションを維持するのは大変な事ですね~。

2008.10.14 | 熊本[URL] | Edit

No title

熊ちゃんの意見もさかさんの意見も「うんうん」と思いながら読まさせていただきました。
先日私が出した「美術展」(絵画、書道、写真、陶芸)だって去年よりは作品が少なかったらしいです。市外の方の応募はほんの少しだけ増えていたらしいですが・。こちらの美術展の出品料は1000円と比較的安い?のですが、やはり「○○さんのお弟子さん」とか「どこたら先生の奥様」とかいう裏肩書きが強く影響してるのも感じられます。
私みたいなのは「チャレンジャー」に近く毎回出していたらそりゃ少しは記憶のどこかに名前がかすかに残っていて「まあ頑張ってるんだから・・」などと同情票で賞入りってこともあるかもね。笑

作品に時間をつぎ込む情熱。それがいろんなしがらみで、段々と冷めてしまうというのも事実かもしれませんね。

2008.10.14 | よっし~[URL] | Edit

No title

本日の説明はとても良く分かりました。そうですね~と納得がいくことです。参加費が高いと言うことは、やはり運営資金などがいるのでしょうかね~?私のような主婦はあんまりオブジェに興味ないのは事実ですね(すみません)
最近は何でも好きなことだけ(芸術は好きなことだと思いますが)して、苦労はしたくないという方も多いとおもいます。陶芸とは全然関係ないのですが私の関係していることでも、やってくれる方が減ってしまってこれからこの世界どうなるのって感じです。

2008.10.14 | さか[URL] | Edit

    
プロフィール

熊本栄司

Author:熊本栄司
陶芸家・熊本栄司

三重県四日市市在住。
陶芸ビエンナーレグランプリ。
朝日陶芸展 秀作賞・新人奨励賞。
日展など多数の公募展に入選。

岐阜県瑞穂市の市章をデザイン




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