陶芸家・熊本栄司の陶芸春秋

陶芸家・熊本栄司の日々の活動や思い、陶芸家としての喜怒哀楽を綴ります

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とりあえず

 
長年陶芸をやってきて、色々なイベントや個展、グループ展等を
本当に数多くやってきた。

陶芸を始めた頃は志高く、他の人が作らないような形、色に特にこだわり
売れる、売れない関係なしに精力的に作品を発表していた。

しかし、景気が落ち込み、価値観の多様化、作り手の急増?等の
理由といつまでも売れない作品ばかりでは生活が成り立たなくなり
陶芸家の中での合言葉はいつしか・・・

「とりあえず食器でも並べるか!」

・・となっていった。

食器なら価格も安いし買いやすい。

最悪の売り上げゼロを回避できる陶芸家の伝家の宝刀。

この場合の「とりあえず」の意味は・・・

「ま、とにかく、なんでもいいから、メインはさておき」と言う意味なのだ。

そうまでしてもみんな売り上げが欲しかった。

しかしこの伝家の宝刀も両刃の剣で、売り上げを伸ばそうと
思うと数を売らなければならなくなる。

そして、はじめから売り上げの限界が見えている。

そうなると解決方法はひとつの作品の値段を上げる事だが
当然ながら値段を上げれば売り上げ数は減る。

安い食器をたくさんの人に買ってもらうのと、高価な食器を
一部の人でも良いから買ってもらうのでは、どちらが大変かというと
やはり・・個人的な見解だけど後者の方だと思われる。

グループ展とか・・・たとえば2人展、3人展、4人展等・・・
ひとつの会場に複数の作家がいる場合、自分だけ売れないと
本当に落ち込む。

私も今までに何回となくそういう経験をしてきた。

あまり売れなかった作家は次回のグループ展ではトリアエズ比較的値段の安い
食器を並べる方向になっていった。

みんながみんなそうだった。

食器というのは適正な価格、常識的な価格というのが存在する。

だからみんなその範囲内で価格をつける。

高い、安いと言ってもどんぐりの背比べであり、売れる、売れないと言っても
これまたそれほど大きな開きにはならない。

よほどお客さんが来ない、場所が悪い、そんな条件でさえ
なければプロだろうが素人だろうが安い食器なら誰でもそこそこ売れる。

美大を出たばかりの女の子の食器も、長年やってきたベテランの食器との
違いは一般客にはわかりづらい。(もちろんわかる人もいるが)

いや・・ひょっとして手馴れた作品よりは女の子の作品の方が
出来は悪くても新鮮にうつるかも知れない。

差が出るとすればしっかりとした顧客を持っているかどうかだけ。

断っておくけど食器をがんばって作っておられる作家とか作り手が
どうのこうのと言う事ではない。

悲惨な売り上げ回避を目的としたとりあえずの食器作り。
売りやすさだけの食器作り。

それは何が何でも回避したい。


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プロフィール

熊本栄司

Author:熊本栄司
陶芸家・熊本栄司

三重県四日市市在住。
陶芸ビエンナーレグランプリ。
朝日陶芸展 秀作賞・新人奨励賞。
日展など多数の公募展に入選。

岐阜県瑞穂市の市章をデザイン




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