陶芸家・熊本栄司の陶芸春秋

陶芸家・熊本栄司の日々の活動や思い、陶芸家としての喜怒哀楽を綴ります

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ミニマルアート考

 
作品を作る時、誰しも迷う事・・・

それは「どこで手を止めるか?」という事。

いわゆる「やりすぎ」・・・絵画で言うと「描き過ぎ」って事かな~?
「やりすぎ」は嫌われる傾向が強い。

それでどんどん余分な事を削ぎ落としていく・・・

つまりはドンドンとシンプルな形状になっていって、
最終的には装飾を一切排除して、これ以上シンプルになれないくらいまで
シンプルにした作品(状態)。

それがミニマル(最小限)アートであります。
(小さい作品という事ではありませんよ)

本音を言わせてもらうと、私・・・結構好きなんです。(笑)

器にしても黒だけ・・・とか白だけ・・・とかね。

前にも書いたけど、備前焼って結構好きなんです。
装飾は自然釉と焼き色だけと言っても過言ではありません。
備前焼もミニマルアートと同じカテゴリーなのかも知れない。

だけど・・・毎回思うんです。

自己表現の手段としてはそれって・・・???ってね。

私は黒一色とか白一色とか好きなんだけど、
しかしあまのじゃくな私は・・・

「それだけはやらないようにしよう」

・・・と変な意固地を張ってます。

誤解無きように付け加えておきますが、そういった作品を作っている作家を
否定している訳じゃ~全然ありません。

あくまで・・・「私個人は・・・」という事です。

・・・・で結果・・・私の作る器はミニマルとは対極の位置にある作品になります。

ミニマルアートの会場芸術・・・たとえば・・・
ちぎった土のカタマリをドカンとホールの真ん中に置くとか
そういうのに理解がないわけではありませんし
むしろ好意的に受け止めてはいます。

しかし・・・そういう事を自分はしてはいけない。
むしろそこからはどんどんと遠ざかるべきだと。

こういう私の意固地を長年張り続けるのは正直シンドイです。

だからと言って、私が土のカタマリを作品にして発表しても
心の奥に・・・「やっぱり何かが違う」って思うだろうし、黒だけとか
白だけの作品もやはり自分にとっては憧れではあるにせよ、
「お前は結局そこに逃げたのか?」というもう一人の自分の声が
必ず聞こえてきそうなんです。

いやいや・・・本当は勝手に好きにやれば良いのです。
誰も私にそういう事をやるな!なんて頼んでいません。

黒だけの作品の美、白だけの作品の美に憧れているが故に
手を出せない卑怯者なのかも知れない。

よく雑誌の器特集に「器はシンプルが一番」なんて事が書いてあるけど
そんな事、イチイチお偉いさんに言われなくてもわかってる。

白一色とか黒一色は誰が盛っても大体はうまく盛れるに決まってる。

以前、飯碗コンテストでシンプルな「刷毛目茶碗」を出品したが
それが通産大臣賞に選ばれた。

適当に白化粧土で刷毛目をしただけの作品で、そこには
自己主張も何もない。それが受けたのだろう。きっと。

しかし、その賞をもらって思った事は・・・
「こんな茶碗だったら誰でもできるじゃないか」という事。

賞をもらっておきながら、審査員に対して文句を言うのも何だけど
私は賞金欲しさに、「こういうのがウケるだろう」と思って
雑誌によく出てくるような作品をあえて作って出したワケだ。

審査員は私の「計画」にまんまとひっかかったのだろうか?

飯碗に個性なんて結局はいらぬ長物なんだろうか?

刷毛目は私でなくてもできる。
カミさんが作ってもよかった。

どんどんシンプルにすれば最終的にはよく雑誌に載っている
お洒落な器に落ち着く。

しかし、シンプルにこだわり、自分まで削ぎ落として
しまっては・・・・という懸念がいつも私にとりついている。

・・・とまあ、色々と書いてきたけど・・・・

結局は、シンプルでかつ、個性的な作品を作れば良い事なんだけど・・
これが中々に難しい。

たぶん一生、答えが出ない問題なのかもしれないな!きっと。

注・・・これだけ書いた事も明日になれば違った事を言っているかも知れない。
    真っ黒な器、まっ白な器を半年後には作っているかも知れない。
    私はあまのじゃく。ご容赦願いたい。

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Comment

No title

しんちゃん先輩

まったくその通りでコメントのしようがありません。

それって・・・
やっぱり才能ってヤツでしょうか?!

2007.12.20 | 熊本[URL] | Edit

No title

よっし~

「自分の陶器を作る事」「自分の絵を描く事」

確かにそれにつきるよね。

でも自分流を貫くって案外大変。
ましてや、それを売っていくとなるとね。

でもよっし~が言ってる事、大正解だと思う。

2007.12.20 | 熊本[URL] | Edit

幼児が指が動くままに

作った物、描いたものにすごくいい物があります。
たまにね。
あれを頭で理論化して、いつでも作れる・描けるようにしようとしたのが、ピカソじゃないでしょうか?

2007.12.20 | しんちゃん@七輪陶芸[URL] | Edit

わかるなああ~すごく!!

あのさ。
「絵」はちょっと違うんだよね。まあ、あたしは「画家」ではないから・・・だけど。
描きこむほど「味」が出てくる。
あたしみたいな「季節労働者」みたいな「美術愛好家的画家」は「絵」は何分かで描けるのよ。
それを何時間も何日もアトリエ的洋間1畳に置いておくと・・何度も手を加える事になってるのよ。ほんと。
熊ちゃんの今日の日記はとっても「素直な意見」だと思うな。
めちゃめちゃに・・例えば「動物園のゾウの鼻に筆をつけて描きなぐった絵」みたいなのでも、もしかすると・・「すばらしい!!」と言われるかもね。
審査員なんて・・「感性」なのよ。・・・(-_-)
「洋画」の審査なんて最近「なんだこりゃ?」って思う絵が「最優秀賞」だったりするよ。(≧m≦)イヒヒッ
ようは・・
「自分の陶器」を作る事。
「自分の絵」を描き続ける事。

結局そこだと思う。
「熊本流」を続けてください。
応援しています。(^_-)-☆ 

2007.12.20 | よっし~[URL] | Edit

    
プロフィール

熊本栄司

Author:熊本栄司
陶芸家・熊本栄司

三重県四日市市在住。
陶芸ビエンナーレグランプリ。
朝日陶芸展 秀作賞・新人奨励賞。
日展など多数の公募展に入選。

岐阜県瑞穂市の市章をデザイン




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