陶芸家・熊本栄司の陶芸春秋

陶芸家・熊本栄司の日々の活動や思い、陶芸家としての喜怒哀楽を綴ります

RSS     Archives
 

スポンサーサイト

 
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
 

自分史(教室編)

 
個展や展覧会だけではあまりの不安定な収入。

女房・子供、家のローンを抱えている身にはつらい。

本当に一生懸命やってきた。

しかし、一生懸命やったからうまくいく・・・という教科書に出てくるような風には
いかないのが、これまた人生。

こんな事を言ったら怒られるかも知れないけど、一生懸命やらなくても
うまくいく人はうまくいく。

ドサ回りをして苦労しても中々に芽が出ない、売れない歌手や芸人の
気持ちがわかるようになってきた。

愚痴も出てくる。 

心も体も疲れ、なおかつ収入が不安定だと、人間考え方がマイナスのベクトルに動く。

色々と悩み、考えた末に一定の金額がちゃんと入ってくる
仕事を入れるべきだろう。

しかし、私には陶芸以外何も芸はない。

・・・と言う事で陶芸教室をやろうという事になった。

とりあえずの目標・・・米としょうゆ代。

つまり、教室を始めるという事は作家だけでは食えなかったと言われても仕方ない。

いや・・・食べてはいた。

しかし、いつ終わりが来てもおかしくない状態だった。

売れないのではない。

必要以上に手間と時間をかけた作品と売価、それにともなう収入の
バランスがどうしても取れなかった。

収入が無いからと言って、仙人みたいに霞を食べるわけにもいかない。

父が言っていた「作家だけでは食えない」という言葉は、あながち
ウソではなかったわけだが、作家業だけで食べている人も世の中には
いるわけで・・・・

そういう意味では私は「敗北者」であります。

陶芸家の場合、何代も続いた窯元だったり、お父さん、おじいちゃんが有名な
作家だと、かなり待遇も違っていただろう・・・などと思うようにもなる・・・

・・・でも・・・ちゃんと一代でやっている人も大勢いるから、言い訳でしかない
事は自分でもわかっていた。

兎にも角にも、「敗北者」だろうが「脱北者」だろうが、
生き残らねば・・・・マンセ~~ッ!!!

しかし、教室を開くと言っても、工房を開放すれば良いというわけでは決してない。

うちは昔、土鍋の工場だったのは前にも書いたけど、スレートの大きな工房は
夏は赤道直下くらい暑く、冬は北極圏くらい寒い。

電灯をつけてもあまりの広さに光が届かないブラックホールのような状態。
(ウソのようで本当の話)

こういう場所に生徒さんに「来てください」と言っても無理。

そこで金融公庫からお金を借りて、大きなスレートの工房内に教室を立てた。

金が無いのに借金を背負うという・・・
一歩間違うと絵に描いたような転落人生。

陶芸教室は思った以上に色々な道具が必要だった。
手回しロクロ、電動ロクロも一つというわけにもいかない。

手回しロクロも新しいのを購入したが、半分は友人の中古を購入。
電動ロクロも現在使用してない他人のを拝借。

机・椅子・棚・色々な陶芸道具・・・それらを全て整えた。

kyousituhuukei.jpg

しかし・・・トイレは昭和40年頃に備え付けられていた
「どっぽん便所」(汲み取り式トイレ)。しかも屋外。

欲しくない「おつり」が来るという、おぞましいトイレ。
・・・っていうか、イマドキそんなトイレの存在自体が
アンビリーバボー!

水洗便所にしたくても教室設立だけで精一杯でトイレまでは
金は回らない。

男性はそれでよかったがさすがに女性にはシンドイ。

女性がトイレを使う時は工房の隣にある自宅まであがってもらって
使ってもらっていた。

使用する方も、使ってもらうこちら側もかなり気を使う。

新しいトイレ設立基金として・・・

おしっこ100円、うんこ200円をマジで徴収しようかと思った!(お下品ですね)

木・金・土曜日を開講日とし、他の曜日で自分の作品作りを
続行するという形態になり・・・

光風窯陶芸倶楽部は晴れてスタートしたのでありました。

時に西暦2001年、宇宙の旅。


人気blogランキングへ

banner2.gif








スポンサーサイト

Comment

No title

けーやんさん

自分史・・・長いのですが読んでいただいて
ありがとうございます。
あと2回で自分史終了です。
ふ~っ・・・って感じです。

2008.12.01 | 熊本[URL] | Edit

No title

は~凄いなぁ~
なによりも、奥様が立派です!素晴らしい!
いやいや、やっぱり、お二人とも素晴らしい!!
ますます、続きが楽しみです。

2008.12.01 | けーやん[URL] | Edit

    
プロフィール

熊本栄司

Author:熊本栄司
陶芸家・熊本栄司

三重県四日市市在住。
陶芸ビエンナーレグランプリ。
朝日陶芸展 秀作賞・新人奨励賞。
日展など多数の公募展に入選。

岐阜県瑞穂市の市章をデザイン




カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -


ブログ内検索

最近のトラックバック

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。