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陶芸家・熊本栄司の陶芸春秋

陶芸家・熊本栄司の日々の活動や思い、陶芸家としての喜怒哀楽を綴ります

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ひげそり物語

 
第1章


199X年・・・

当時、私は陶芸教室はやってなくて、純粋に自作の陶芸作品だけを
売って生活していた。

年に10回ほどの個展や展示会をこなしていた。

当然、それほどの回数をこなすとなると、休みはほとんど無く
たくさんの作品を作らなければいけなった。

それは「製作」というよりは、むしろ「生産」に近い感があった。

それでも当時はそれ以外、お金を稼ぐ術を知らずただひたすらに
作品を作ってそして全国各地に赴いていた。


第2章


各地に出張すると当然ビジネスホテル等に宿泊するんだけど
やはり旅をする際、手荷物は少なく軽い方が良い。

当時私が使っていた髭剃(シェーバー)は2枚刃で重く、充電の
コードも長くて携帯するのはちょっと・・・という感じだったので
とりあえず旅用髭剃機を購入した。

当時の値段で処分価格1980円とかだったと思うけど、とにかく
旅先に気軽にもって行き、適当に髭を剃れればそれでよかった。


第3章


200X年11月

私は陶芸教室をはじめ、それほど年に個展の回数をたくさん入れる
事をしなくなったし、入れる事も逆にできなくなった。

旅というか出張の回数は極端に減った。

それと同時に家でメインに使っていた2枚刃のシェーバーの調子が急に
悪くなり急遽、旅用髭剃機が助っ人という形となった。

まさか・・・この旅用髭剃機と共にそれこそ・・・
「日常という長い旅」を共にしようとはその時は夢にも思わなかった。


第4章


月日は流れ旅用髭剃機との日常の旅ももう7年近くになり、さすがに
剃り味というか切れ味というか・・が落ちてきた。

刃も一度も換えてないので当然といえば当然なんだけど、正直な所
たかだか1980円で買った髭剃機がこれほど耐久性があるとは
思いもよらなかった。

「とにかくこれが壊れたら今度はちゃんとした新しいのにしよう」と
思い続けて7年である。

助っ人であるべき髭剃機がいつのまにか主役の座を射止めてしまっていた。


第5章


いくら主役になったとは言え・・もう老体になってしまった旅用髭剃機。

しかし髭がまったく剃れないか?というと・・・なんとか剃れる。
昔ほどの切れ味はまったくないが、剃れないワケでもない。

この時期が一番困る。

完全に機能が停止してしまえば、先日の携帯電話みたいに新しいのに
換えざるをえないのだが、いまだにかろうじて使える状態というのが
人間にたとえると非常に同情すべきものがあり・・・冷酷にも捨てて
しまうという事ができない。

・・・かと言って・・・このままでも・・・・

なんとも・・・なんとも・・・

なんとかしなければ・・・・


最終章


ここは心を鬼にして旅用髭剃機には現役を引退してもらう
事にした。

「お前がいるせいで新しい髭剃りが買えないじゃないか!」

「今までありがとう!さようなら!」

天国への旅へお連れするために、巨大ハンマーにて一撃必殺。

彼は一瞬のうちに粉々に砕け散った。

そして沈黙だけがそこに残った。






・・・という事が私にはできない。

ま、歳をとって色々とガタが来たのはお互い様という事で
今しばらく旅用髭剃機と共にがんばるとしようか!

・・・ってたかだか1980円の髭剃りに同情していて
どないすんねん?!

とほほほですよ!まったくも~~っ!!

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プロフィール

熊本栄司

Author:熊本栄司
陶芸家・熊本栄司

三重県四日市市在住。
陶芸ビエンナーレグランプリ。
朝日陶芸展 秀作賞・新人奨励賞。
日展など多数の公募展に入選。

岐阜県瑞穂市の市章をデザイン




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